不定詞 その6それでは不定詞のお勉強が続いていますが、今日は書き換えについて注意しなければならない点をさらっておきましょう。 例題: This river is too broad for children to jump across. ( so ・・・ that ~ を用いて書き換えてください。) " too ・・・ to ~" (あまり・・・で~できない)を "so ・・・ that ・・・cannot" で書き換える例の問題だな、というんで、 → This river is so broad that children cannot jump across. としてしまいがちですが、これでは×です。 「川の幅が広すぎて、子供たちが飛び越せない」んだから、これでいいん じゃないの?と思う人が多いのではないでしょうか。 では、もっと典型的な文例として This book is too hard for me to read. 「この本は私が読むには難しすぎる」を「この本は難しすぎて私には読め ない」というように so that を用いて複文に書き換えなさい、という例題が あったとすると、 → This book is so hard that I cannot read. (×)です。 という答案を書く人がたくさん出てくるわけです。この罠に引っかかっては いけません。どこがいけないのでしょう。 "too ・・・ to ~"は" so ・・・ that cannot ~ "で書き換えられるのは 皆分かっているようですが、油断してはいけません。この型の書き換えは 文末に気をつけていないとダメです。 "too ・・・ to ~"の不定詞は副詞 的用法なので、 This book is too hard for me to read. でOKなのです が、" so ・・・ that ~"の文では、 文と文とを so と that が接続詞として、that の前後の文章をつないでい るわけですので、that の前も後ろもちゃんとした文でないと正しい文章 にはなりません。ですから I cannot read というのは正しい文章ではなく て、I cannot read the book の意味の"I cannot read it." という完全な 「文」でなければなりません。 it がどうしても必要なのです。 → this book is so hard that I cannot read it. (○) これが盲点になっていて、分尾のit を落とす人が多いですね。従って "too ・・・ to ~" と " so ・・・ that ・・・cannot ~ "との書き換えでは文 末に注意してください。 逆に書き直すときは、勢い余って too hard for me to read it. (×) なんて書かないで下さいね。 原理が分かったので、今は例題の答えがはっきりしましたね。 This river is too broad for children to jump across it. (○) となるわけです。 それではもう一つ書き換え問題を出してみましょう。 例題:同じ意味になるようにカッコ内に適語を入れてください。 1. We were too far away to see what was happening. = We were not near ( ) to see what was happening. 2. He had the kindness to help me. = He was kind ( ) to help me. = He was so kind ( ) to help me. 1. too far away to see は"too ・・・to ~"の構文で「遠すぎて見えな かった」→「見えるほど近くにいなかった」と考えます。「見えるほど近く」 というように程度を表すわけですから、"enough to ~"を用いて、 We were not near enough to see what was happening. (○) が正解です。 "・・・ enough to ~"が出てくるたびに、「~するのに十分・・・」と解釈 している人が多いのですが、あまり筋が良くありません。 「~するぐらい」「~できるぐらい」と程度を表す、と解釈した方が応用が ききます。 I stayed there long enough to see her just once. の意味は、「彼女に一度会えるぐらいの長さだけそこに滞在した」(○) となるのですが、「彼女の一度会うのに十分長く滞在した」(△~×) とやるとよくありません。これは「たった一度会えるくらいの期間」という わけで、long enough to ~であっても別に、長い期間を指しているわけ ではないのです。同様に He had just enough money in his pocket to buy a ticket. を「切符を1枚買うのに十分お金を持っていた」(×)では伝えたい気持ち が正反対です。「ポケットには切符をたった1枚買えるくらいのお金しか なかった。が◎(二重丸)ですね。 2.は「彼は親切にも私を助けてくれた」のように"enough to ~"( = so ・・・ as to ~) を前から後ろに意味をとることもあります。こういう問題はパターン が決まっているので、下の言い方を対処できるように準備していれば大丈 夫でしょう。 He kindly helped me. = He had the kindness to help me. = He was kind enough to help me. = He was so kind as to help me. = He was so kind that he helped me. = It was kind of him to help me. 「親切にも手伝ってくれる」という意味の英語の慣用的な言い方にも 色々あるわけです。 |